EDは中年や高齢者の男性にとって身近な病気です

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男性の勃起不全をEDと呼ぶようになってから久しいですが、年配の方にはインポという言葉の方が馴染みがあるのではないでしょうか。フニャチンやダメマラなんて言い方をする人もいますね。

EDは中年の男性にとっては非常に身近な病気です。1998年に実施された統計によれば、日本の40代男性では5人に1人、50代で4人に1人、60代男性になると1.7人に1人がEDにかかっているとされています。

EDの原因は色々な要因が考えられますが、直接の原因によって器質性ED、心因性ED、薬剤性ED、混合性EDの3種類に分かれます。代表劇な原因は加齢による器質性EDで、若い人がEDを発症する場合は心因性が多いです。

カマグラ等のED治療薬は、主に器質性EDのフニャチンに対して効果を発揮します。

EDは勃ちにくくなったり時間がかかるといった症状だけでなく、挿入した後に勃起が続かなくなってフニャってしまう中折れも含まれます。

EDの治療は主にバイアグラなどのED治療薬が使われますが、他にもアソコに薬を直接注射する方法や、特殊な機械でアソコに衝撃波を与える方法、そして最終手段としてアソコに特殊な器具を埋め込む手術療法などがあります。

EDの原因(リスクファクター)

EDの直接劇な原因には器質性、心因性、薬物性、混合性の3種類がありますが、ハテ何のことだろう?となってしまいますよね。
ここではそれらを引き起こす具体的なリスクファクターを説明していきます。

器質性ED

器質性EDは病気や肥満などで血の巡りが悪くなって、アソコの勃起に必要な血が行き渡らないのが原因です。カマグラ等のED治療薬が効果を発揮するのは、この器質性EDです。

加齢

老化は体の至る所で、臓器や器官の機能を衰えさせます。加齢が直接ひきおこすケースは、血管の老化による動脈硬化です。血管は筋肉で伸縮しますが、老化でこの筋肉が衰えると広がらなくなってしまいます。

十分に広がらなくなった血管は血の巡りを悪くし、陰茎海綿体に十分な血が行き渡らなくなって勃起不全となります。

糖尿病

代表的な生活習慣病である糖尿病は、多くの合併症を引き起こしますが、EDもその一つです。日本人における統計データによれば、糖尿病患者の35~90%がEDを合併しており、EDが発症する年齢も健康な人に比べて10~15歳若いとされています。

糖尿病によって血糖値が高まると、血管が老化して血の巡りが悪くなり、陰茎海綿体に十分な血が送り込めなくなってEDを発症します。

肥満および運動不足

糖尿病と同様に生活習慣の話になりますが、偏った食生活による肥満や運動不足も血行不良につながります。

肥満や運動不足は血液中の悪玉コレステロールを増加させ、脂質異常症(高脂血症) や高血圧と言った生活習慣病を引き起こして間接的に器質性EDの引き金となります。

喫煙

昔から、「メンソールタバコはインポになる」という俗説がありましたが、喫煙自体が実際にEDのリスクファクターとなります。

タバコに含まれるニコチンは、自律神経を乱して血管を強力に収縮させます。また、喫煙は血圧を上げてさせ体内を酸化させ、血流を悪くします。このため、喫煙者は非喫煙者に比べてEDを発症しやすくなります。

心因性ED

心因性EDは精神的な負担によって性的興奮がアソコに伝わりにくくなるのが原因です。
心因性EDの引き金となる主な精神的負担は以下の通りです。

  • セックス初体験の人が緊張や不安を感じてしまう
  • 経験が無い人や浅い人がバレたくない一心で焦りを感じる
  • 過去のセックスで何らかの失敗をして精神的なトラウマがある
  • 日常生活で多くの悩みやストレスを抱え込んでいる
  • 子供が欲しい夫婦で不妊に対するプレッシャーを感じている
  • うつ病や不眠症などの精神疾患がある

心因性EDは血の巡りが悪いわけではないので、カマグラ等のED治療薬を飲んでも効果は出にくいです。効果が出るとしても、器質性EDを併発している場合に部分的に効くぐらいですので、純粋な器質性EDほどの効き目は期待できません。

薬剤性ED

すでに何らかの病気にかかっていて治療薬を飲んでいた場合、薬の副作用としてEDを発症する場合があります。
EDのリスクファクターとなる薬は主に以下があります。

  • 降圧薬
  • 抗うつ薬
  • 前立腺肥大症治療薬
  • AGA治療薬
  • 非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)

このうち、降圧剤はカマグラと併用することで降圧作用が強まり、血圧が下がり過ぎて危険な状態となります。特に一部の降圧剤(硝酸剤)はカマグラとの併用が禁忌ですのでご注意ください。

混合性ED

器質性・心因性・薬剤性のうち2つ以上の原因が当てはまる場合、混合型EDと呼ばれています。混合性EDは、いくつものリスクファクターが複数に絡みあっている場合が多いため、治療が困難であるとされています。
ED治療薬に加えてカウンセリングなど精神面でのケアが必要となり、医師と患者の信頼関係を築いて根気よく治療を続けることが大切です。

EDの症状

EDの主な症状として定義されているのは以下の状態です。

  • 勃起がうまくいかない
  • 勃起しても挿入が失敗する事がある
  • 挿入しても勃起が持続しない

EDはアソコが全く勃たない状態だけでなく、勃ち具合(硬さ)が不十分だったり、勃起に時間がかかるといった不具合も含まれます。つまり勃起力が不足して性生活に少なからず支障がでれば、それはもうEDにかかっていると言えます。

米国では、EDを診断する際に勃起力の程度を計る指標として「勃起の硬さスケール(EHS:Erection Hardness Score)」が制定されています。 勃起の硬さスケール の定義(4段階)は以下の通りです。

  1. アソコがムクムク大きくなるが硬くならない(こんにゃくの硬さ)
  2. ある程度硬くなるが満足に挿入できる硬さではない(みかんの硬さ)
  3. 満足に挿入できたが勃起が続かず中折れする(グレープフルーツの硬さ)
  4. 完全に硬く勃起し持続もする(りんごの硬さ)

上記のうち1~3に該当する場合は、EDの疑いがあります。

中折れもEDの症状の1つ

セックスの最中にナニが急に元気を無くしてフニャマラとなってしまう、いわゆる「中折れ」もEDに含まれます。

パートナーもガッカリするでしょうけど、何より本人のショックが事の他大きいのも中折れの特徴です。

何というか、突然の無力感というか己の非力感に襲われる感覚。

一度中折れになってしまうと、精神的ショックでトラウマとなり、中折れが原因で勃たなくなってしまうことも多いです。

こうなると男の尊厳が失われ、たちまち自身がなくなってしまいます。

でも大丈夫!
中折れはEDと同様に治療することができますので、ご安心ください。

ED治療について

EDの治療は病院や専門のクリニックで受けられます。れっきとした疾患ではありますが、日常生活に支障が出るような苦痛をともなわないので自由診療(保険適用外)となります。

治療内容はバイアグラ・レビトラ・シアリスといったED治療薬による服薬療法がメインですが、何らかの事情でこれらの薬を飲めない方や薬で満足な効果が得られなかった方には他の治療法もあります。

服薬療法

EDと診断された患者が治療薬の服用が問題なくできると判断された場合、ED治療薬が処方されます。

日本で処方されるED治療薬はバイアグラ、レビトラ、シアリスの3剤で、このうちバイアグラにおいては先発薬の特許が切れたため、ジェネリック医薬品という選択肢もあります。

ED治療は自由診療となるので、治療薬の値段は病院によってまちまちですが、だいたいの相場は以下の通りです。

  • バイアグラ:1錠あたり1,500円
  • バイアグラジェネリック:1錠あたり1,200円
  • レビトラ:1錠あたり2,000円
  • シアリス:1錠あたり2,000円

EDクリニックは薬代のみで診察料を取らない所も多いです。それでも1錠1,200~2,000円という値段は維持費用がかかりますよね。

降圧式勃起補助具

ED治療薬が使用できない場合、次の選択肢としてまず挙げられるのが、VCDカンキと呼ばれる補助器具を使った治療です。

VCD式カンキはアソコを筒に入れた手からポンプで筒の空気を抜き、筒の中の気圧を下げる仕組みになっています。この時、筒の内部が外部よりも気圧が低くなり、まるで雲が高気圧から低気圧に流れるように血液がアソコへと流れていくのです。

降圧式勃起補助具は薬を一切使わないため誰でも安全に使え、9割の確率で勃起を促す効果が期待できます。

ただし、空気圧を使って強制的に勃起させるので、自然な勃起とは言えません。

海綿体注射

降圧式勃起補助具と並ぶもう一つの選択肢として、アソコに薬を注射する治療法があります。
注入する薬はプロスタグランジンE1製剤とよばれる薬が使われます。

注射してから30分以内に勃起改善効果がみられ、 2~3時間ほど勃起力がアップします。

ED治療薬のような副作用の心配がなく勃起力を向上させることができますが、持続時間が短いため、タイミングをきちんと合わせて事前に通院しなければなりません。
また、降圧式勃起補助具よりも強力で比較的自然な勃起を得られる一方で、感度が落ちてしまうという難点もあります。

陰茎プロステーシス手術

降圧式勃起補助具や海綿体注射も行えない、もしくは行っても効果が得られなかった場合、最終手段として残されているのが陰茎プロステーシス手術です。これはプロステーシスと呼ばれる器具をアソコに埋め込むための手術です。

一度やったら元のアソコに戻すことは不可能ですので、自然な勃起を完全に諦める覚悟が必要です。プロステーシスにはいくつかの種類があり、自分で曲げて角度を調整するタイプやポンプで膨らませるタイプなどがあります。

完全に人口の勃起ではあるものの、感度を失うことは無いため、セックスを満足に行うことができます。治療費もかなり高額になってきますが、治療を行った患者の満足度は高いです。

プロステーシスが破損した場合は再手術が必要となります。

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